面会交流を、どこで行うかというのも、悩みどころの一つです。
公園等で行うことも珍しくありませんが、猛暑日などは公園で安全に遊べる時間が限られていますし、そもそも天候が悪いと遊べません。
ご依頼者様の中には、毎回、様々な科学館やワークショップ、博物館やアスレチック等を提案して、予めきちんと予約して面会交流している方もいらっしゃり、すごいなあと感心することもありますが、普通はなかなか難しいと思います。
面会交流に限らず、最近、子どもが安全に長時間過ごせる場所自体が限られているなあと感じます。
有料で遊べる室内施設などはありますが、混んでいることも多いですし、親の分も含めると、それなりの費用がかかることが多いと思います。
自宅でのんびり過ごすことができるといいのですが、今の実務では、自宅で過ごす面会交流は、比較的少ないようです。
今後、共同親権が導入されると、今よりも、自宅に宿泊する形での面会交流等が増えてきて、面会場所に困るパターンは減るのかもしれないと期待していますが、父母の信頼関係が全くない状況では、自宅での面会交流に対する抵抗が大きい場合もあります。
私自身、休日に子ども達と出かける先が見つからず、ついクレーンゲームなどで遊んでしまうことも多く、反省の毎日です。
親子や子供たちがゆっくり安全に楽しく過ごせる施設や、一緒に何かに挑戦できるワークショップ、1回だけでなく、継続的に一緒に続けられるスポーツや趣味などの選択肢がもっとあるといいなあと思う毎日です。
もしかして、私のリサーチ力が足りないだけかもしれないので、探してみたいと思います。
子どもがいる家庭の離婚問題で調停になる場合、離婚調停と婚姻費用分担の調停の2本を同時に行うことが多いです。
また最近では、面会交流の調停も合わせて、3本同時の調停になることも珍しくありません。
面会交流の方法は、子どもの年齢や、親子・夫婦の関係、家族のスケジュール、住んでいる場所等によって、面会場所、頻度、1回あたりの時間、ルールなど本当に様々だと思います。
そこに、両親の希望や考え等も反映されるため、ゼロから決めるとなるととても大変です。
裁判所の判断に対して、一件一件をゼロから検討するとかなりの時間や調査が必要になるため、ある程度画一的な判断になるのも仕方がないと思う反面、若干柔軟性に欠けるとも感じてしまう場面もあります。
今の裁判実務では、面会を求める側にとっては、面会交流を拒否されている場合、子どもと会えるまでにかなりの時間を要することが少なくありません。
また、面会をさせる方にとっては、子どもの気持ちを尊重したり子どもの安全を守ることを最優先にしたいと考えていても、裁判所から、面会させることを強要されると感じることもあります。
裁判所から、第三者機関を介しての面会交流が推奨される場合もありますが、第三者機関と面談したりする手間が生じますし、利用するコストを負担する必要が生じます。
夫婦間で一切のコミュニケーションをとれず、調整がかなり難しいことがあったり、そこまでではなくても、お互いが疑心暗鬼になってしまい、感情的な対立が激化することで、面会交流がスムーズにいかないこともあります。
今後、共同親権が導入されるにあたって、面会交流の方法についても、より柔軟で多様な方法が採用される可能性もあるのかなと思いますが、根本的な難しさがある問題だと思います。
私は子どもが2人いて、6才差があるのですが、上の子の時の保育園や学校の保護者参観は、母親だけが参加する家庭が多かったのですが、下の子の保護者参観は、両親が参加する家庭が多くなりました。
コロナによってリモート勤務が増えたことで、働いていても育児に参加しやすくなったことも影響しているのかもしれません。
男性の育休取得も増えているようですね。
このこと自体は、とてもすばらしいと思うのですが、日々離婚問題に向き合う中で、一番 悩ましいと感じるのが、面会交流を含む子どもが絡む問題です。
父親が育児に参加することが増えた分、離婚の際に、子どものことで揉めることが増えていることを実感します。
離婚しても父母として協力しながら育児をしていくのが理想であることは明らかです。
面会交流についても、父母の話し合いで、子どもにとって一番いい形で面会交流をすることで、子どもの心も安定すると思います。
でも、離婚の現場では、なかなか難しいと感じることが少なくありません。
夫婦間の信頼関係が全くなくなった状態で、頻繁に面会交流をすることは、親権者にとっては大きな負担になることがあります。
父母の板挟みの中で、子どもが面会交流を嫌がってしまうこともあります。
一方で、心から溺愛して毎日一緒にいた子どもと突然引き離され、面会する回数を制限される側のやり場のない気持ちも痛いほど分かります。
もうすぐ、共同親権を選択できるようになるため、子どもをめぐる問題が、ますます増えることが予想されます。
私達弁護士にできることや、裁判所の判断等に限界を感じることもありますが、子どもが絡む問題は、少しでも子どもの立場や将来にとってプラスになる方法を模索していく必要があると思います。
相手に不倫や暴力等があるわけではないけど、これ以上一緒に暮らしていくのが難しい、という心境に陥っている方からご相談を受けることがあります。
いわゆる「性格の不一致」です。
実際に、離婚する原因で最も多いのは「性格の不一致」と言われています。
夫婦双方が、性格の不一致を感じて離婚を希望している場合は、条件さえ決まればスムーズに離婚できますが、片方のみが性格の不一致を感じている場合は、スムーズに離婚できないことがあります。
同居期間に比べて別居期間が長期になっていると、比較的離婚が認められやすい傾向にありますが、別居期間が短い場合は、「性格の不一致」だけでは、裁判所が「婚姻を継続し難い重大な事由がある」と認めてくれず、棄却されてしまう可能性があるのです。
すなわち、相手のモラルハラスメントによって離婚を希望している場合でも、証拠が足りない場合は、単なる性格の不一致とみなされて、離婚が認められないことがある一方で、片方による一方的な別居であっても、別居期間が長期化すると、離婚が認められる傾向にあるのです。
裁判所の対応に関して、柔軟性が欠けるのでは?と感じることもありますが、第三者が判断する以上、一定のルールに基づいて判断する必要があるため、仕方ない部分があるのかもしれません。
いずれにしても、「性格の不一致」だけが理由でも、離婚できないわけではありません。
もし、こんなことで離婚できるのかな?という悩みがある場合は、あきらめずに、是非相談してみていただければと思います。
「別居したいけど相手の了承が得られない」「同居義務違反や悪意の遺棄になってしまうのでは?」との相談を受けることがあります。
確かに、同居義務は民法752条に明記されています。
またインターネット等の情報を見ると、「悪意の遺棄」という言葉をよく目にします。(悪意の遺棄とは、夫婦間の同居、協力、扶助の義務を、正当な理由なく意図的に履行しないことです)
実際は、正当な理由があれば、相手の了承なく別居することは可能ですし、「悪意の遺棄」に該当することもありません。
離婚事件では、離婚を希望する側が別居した上で離婚を請求することがよくあります。
その際、相手の了承を得ていないことがほとんどですが、離婚訴訟などで、それが問題となることは、経験上はほとんどありません。
住み慣れた家を出て、わざわざ別居する場合は、それなりの理由があることがほとんどです。
以前、モラハラを原因として慰謝料が認められるためのハードルが高いという内容を書きましたが、「同居義務違反」や「悪意の遺棄」による慰謝料が認められるためのハードルも相当高いと言えます。
ただ、例えば、相手に落ち度がないのに不倫した上で突然出ていくとか、幼い子がいる専業主婦を置いて突然出て行き、生活費も払わない等の行為は、問題となる可能性があります。