離婚問題は、とてもプライベートな問題です。
「弁護士に、こんなこと話したら、軽蔑されるのでは?」「味方をしてくれないかもしれない」「弁護士が相手に伝えてしまったらどうしよう?」等と悩んでしまうこともあると思います。
我々弁護士は、ご相談を受けた瞬間から解決するまでご依頼者の味方です。
また、守秘義務を負っていて、ご依頼者様が秘密にしたいことを口外することは絶対にありません。
したがって、気にせず、全てを話していただくほうがありがたいです。
ただ、実際に、弁護士に相談して、厳しい対応をされて傷ついていらっしゃる方もいらっしゃいます。
いろいろな弁護士がいますので、そういうこともあるのかもしれませんが、気にせず他の弁護士を探せばいいだけです。
特に離婚事件では、少し長いお付き合いになることもありますので、最初からすべてを吐き出して、ある意味、腹を割って話すことで、マッチする弁護士を選ぶことができると思います。
2025.08.04
弁護士の選び方 その4(本音)
最後に少しだけ本音を書きます。
このブログは、日々離婚事件に向き合う中で、もどかしさや疑問を感じることがとても多く、少しでも離婚事件に関わる現実を伝えたいと感じて始めました。
守秘義務もありますし、裁判所や他の弁護士の批判になり得るようなことは書きにくいため、いざ書こうと思うとなかなか難しいものですね。
実際に事件を進めたり、セカンドオピニオンのご相談を受ける中で、弁護士の対応に疑問を感じることが多々あります。
すでに成立させてしまった調停事件について、後悔している方もたくさんいらっしゃいます。
最終的な結果はもちろん、経緯にも納得できないまま、高額な弁護士費用を支払ってしまったというご相談を受けることもあります。
あるいは、弁護士費用が安いという理由で依頼をしたけど、納得できるような対応をしてもらえないというご相談もあります。
人は本当に様々で、同じ弁護士であっても、対応の方法や心構えなどは、本当に千差万別です。
また、相性もありますので、人によって合う弁護士は異なるのかもしれません。
ご相談で、説明すべきことをご説明したところ、「そんなことは初めて聞きました」「あの時、相談していればよかった」と涙ながらに話してくださる方が複数いらっしゃいます。
また、相手の弁護士の対応に関しても、しっかり対応していると感じることもありますが、本当に相手にとってベストな方法なのか?と疑問を感じることも少なくありません。
特に離婚事件では、弁護士はご依頼者の唯一の味方です。
弁護士次第でご本人の納得感等が大きく変わります。
弁護士選びは、難しい疾患を患った場合に医師を選ぶことととても似ていると感じます。
最も大切なのは技術力ですが、コミュニケーション力や人柄も同様に重要だと思います。
この医師であれば、技術力も間違いない自分のためにできる限りのことをしてくれる、と感じることができれば、安心して任せることができますし、仮に力を尽くした結果、完治しなかったとしても、納得できると思うのです。
ただ、実際に検索してみると、多くの弁護士事務所が「豊富な実績」等と大々的にアピールしていて、弁護士を選ぶのは本当に難しいと思うのです。
やっと本題に入ります。
まず、離婚事件の弁護士であれば離婚事件の実績はとても重要です。
離婚事件は他の民事事件と異なる点がたくさんありますので、かなり優秀な弁護士であっても、初めてだと分からないことが多いと思います。
特に、離婚自体や婚姻費用、財産分与、慰謝料・養育費等、それぞれの問題等について、裁判所の運用を知らないと、正確な見通しを立てることはかなり難しいです。
正確な見通しなく、適切な方針を考えることはできません。
離婚は、比較的身近な問題ですので、その分、経験がなくても簡単にできると思っている弁護士もたくさんいます。
でも、一言に離婚と言っても、事案によって全てが千差万別です。
事案によって方針を変える必要がありますし、過去の裁判例や最近の裁判所の運用などにも精通している必要がありますので、決して簡単ではありません。
やり方次第で、結果が大きく変わります。
次に、話しやすく、説明が分かりやすい弁護士をお勧めします。
また、リスクなどマイナス面についてもきちんと説明してくれることも大切です。
離婚事件はオーダーメイドです。
同じ状況であっても、ご依頼者が何を優先したいのか(時間か経済的利益か、あるいは世間体等他の事なのか)によって、方針が変わります。
弁護士としっかりコミュニケーションをとり、不安や希望を全て伝えて、できることとできないこと等について、きちんと説明してもらうことが、納得できる解決につながります。
言いにくいことであっても、味方である弁護士には全てを伝えた上で方針を立てることが大切ですので、言いにくいことも言えるような関係になれる弁護士が理想だと思います。
たまに、いかにも強そうな弁護士(例えば、顔がいかつくて声が大きい等)を選ぶほうが有利な解決をすることができるのでは?というご質問があります。
答えはNOです。
弁護士は、ほとんどの場面で、書面で戦いますので、声の大きさ等は、関係ありません。
弁護士が尊敬する弁護士像は、常に冷静で、事件の相手に対しても礼儀正しく丁寧に対応する弁護士です。
次に、離婚事件となると女性弁護士のほうが女性の気持ちを理解できるのでは?という理由で、依頼してくださる方もいらっしゃいます。
男性も、「妻の気持ちを理解できると思うから、女性弁護士に依頼をしたかった」と言ってくださることがあります。
それは、とてもありがたいですし、実際に私達は、常にご依頼者の気持ちや立場、生活状況に気を配りつつ、相手の状況にも配慮しながら事案を進めるようにしています。
また、経験上、比較的、相手に女性弁護士がつくほうが、ソフトできめ細かい対応で、早期解決につながりやすいと感じることもあります。
しかし、言うまでもありませんが、男性女性という性別よりも個人差のほうが圧倒的に大きいです。
ただ、異性には相談しにくい問題を抱えている場合などは、相談しやすい同性の弁護士を選ぶというのも合理的だと思います。
具体的にどのように選ぶべきかについては、また次に書きます。
離婚で揉めてしまったときに、どの弁護士に依頼をするかは、とても重要な問題です。
少し難しい治療が必要なときに、治療してもらう医師を選ぶのと似ているかな、と思います。
例えば、風邪とか簡単な症状だったら、どの医師に頼んでも、ほとんど同じ結果になると思いますが、少し難しい治療が必要な時は、医師によって、治療方針や結果が違うと思うのです。
弁護士も同じです。
例えば、借用書を作成してお金を100万円貸したのに返してもらえない、というようなシンプルな事案であれば、どの弁護士が対応しても、結論があまり変わらないことが多いと思います。
でも、例えば、結婚してから15年以上で、不動産や経営している会社があり、子どもが私立学校に通っている状況での離婚事件となると、ご依頼者の立場によって、事件の進め方から考える必要がありますし、財産分与・養育費等、簡単に決まる状況ではないので、弁護士によってかなり差が生じるはずです。
ある弁護士にとって当たり前のことが、違う弁護士にとってはそうではないということも少なくありません。
正直、私たち弁護士も、他の弁護士の対応方法を詳しく知ることはできないのですが、事件の相手になる弁護士の対応や、セカンドオピニオン等で、他の弁護士の対応方法等を知ることがあります。
詳細を記載することは控えますが、本当に様々な弁護士が、様々な方法で対応しているのを日々実感しています。
長くなるので、次回は、どのように選ぶのが安全なのか?について記載したいと思います。