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桜と入学式と離婚のタイミング

春になると、桜が咲き、子どもたちは新しい制服に袖を通します。

入学式は、親にとっても子どもにとっても、人生の大きな節目です。

 

この季節になると、離婚を考えている方から、入学前に離婚を成立させたいというご相談を受けることがあります。

名字の問題、学校への説明、生活リズムの変化…。

節目の前に“整理しておきたい”という思いからの相談なのだと思います。

しかし、入学前に離婚を急いでしまうことにはリスクもあるため、整理してみたいと思います。

 

1.子どもの氏(名字)は、離婚後、急いで変える必要はない

入学前に離婚を急ぐ理由として最も多いのが、「名字が変わると子どもがかわいそうだから」というものです。

しかし、次の点を押さえておく必要があります。

離婚後、子どもの氏が自動では変わるわけではありません。

子どもの氏を変更したい場合は「家庭裁判所の許可」が必要で、これは、離婚成立とは別の手続きです。

つまり、離婚のタイミングと氏の変更は連動していません。

また、 学校生活では旧姓のまま通うことが可能な場合も多いです。

学校側も柔軟に対応してくれるケースが多いため、入学式の直前に離婚が成立しても、子どもの氏を急いで変更する必要はありません。

 

 

2.財産分与・養育費、親権等の離婚条件を急いで決めてしまうリスク

入学前という期限に引きずられて、急いで離婚を成立させてしまうと、重要な法的判断を誤るリスクがあります。

 養育費や財産分与、親権等の離婚条件について、調査不足のままとりあえず合意してしまうと、後から覆すのは非常に困難です。

中には、後から「こんなはずではなかった」となるケースもあります。

 

3.子どもの生活環境の変化が重なると負担が大きい

入学は、子どもにとって大きな環境変化です。

 ・新しい学校
 ・新しい友達
 ・新しい生活リズム

ここに「離婚」による家庭環境の変化が重なると、子どもの心理的負担が大きくなることがあります。

 

4.実務でよくあるケース

入学前に離婚を成立させたいという希望をいただくことは少なくありません。

しかし、子どもの健康保険や養育費の金額等によっては、離婚を急ぐよりも、別居のみを先行させるほうがいい場合もあります。

実際に、すぐに離婚せずにまずは別居のみに留めることで、経済面で安定し、子どもも、すぐに離婚ということではないことに安心し、穏やかに入学式を迎えることができた例もありました。

 

5.まとめ

入学前に離婚を成立させたいという気持ちは、親として自然で、優しさの表れです。

しかし、法律実務の視点から見ると、離婚は“急ぐほど良い”とは限りません。

むしろ、子どもの生活の安定を優先しつつ、離婚条件は丁寧に整えることが、長い目で見て子どもの利益につながることがあります。

桜は毎年咲きますが、離婚は人生の大きな決断です。

焦らず、丁寧に。

それが、子どもの未来を守る一番の方法です。

 


共同親権制度の光と影

共同親権制度が導入されることで、「離婚しても、父母がともに子どもの親であり続ける」という考え方が、法律としても明確に位置づけられました。

両親ともが、親としての関わりを継続できることは、多くの子どもにとって大切なことです。

しかし、実務の現場にいると、共同親権にはどうしても避けて通れない難しさがあることも痛感します。

今日は、その両方に目を向けてみたいと思います。

 

まず、 共同親権の理念はとても素晴らしいと思います。

  • 親であることは離婚しても続く
  • 子どもの重要な決定は、父母が協力して行う

この理念に異論を唱える人は多くはないと思います。

 

しかし、離婚に至る過程には、怒り、悲しみ、裏切り、価値観の衝突など、さまざまな感情が積み重なっていることが多く、

「理念としては賛成だけれど、実際に協力できるかは別問題」というケースが少なくありません。

たとえば、連絡をとること自体がストレスで、夫婦のコミュニケーションが取れない場合がひとつです。

このような場合、学校、医療、進路、住居などの「重要事項」の同意ができず、子どもにとってプラスとは言えない状況に陥ることがあります。

 

また、DV・モラハラ・強い支配があるケースで共同親権が採用されると、加害者と被害者の関係が離婚後も続いてしまいます。

この場合は、そもそも対等に話し合う前提がないため、「協議して決める」という仕組み自体が被害者にとって負担になります。

このように、父母が激しく対立している場合は、子どもが長い間、父母の対立の間で板挟みになることになり、子どもに大きな負担がかかる結果になりかねません。

 

共同親権は、素晴らしい理念の裏に、目に見えない難しさがあります。

それでも、「子どものためにできることをしたい」との願いから、共同親権を選ぶ父母も多くなると思います。

共同親権が機能するには、父母双方が、理想や完璧を求めすぎず、最低限のルールを守り、常に子どもの健全な生活を中心に考え、感情を抑えて相手を尊重する姿勢が必要だと思います。

これらができる場合は共同親権はとても現実的になるのではないでしょうか。

 

最後に、共同親権制度は、家族のかたちが多様化する時代において、子どもの幸せを中心に据えるための大切な仕組みです。

しかし、制度がどれだけ整っても、最終的に子ども達を守るのは、親の姿勢と日々の小さな選択の積み重ねです。

制度の光と影の両方を理解しながら、制度や名目にとらわれず、子どもにとって最も安心できる環境を整えていくことが大切です。

私達も、そのための一助となることができると嬉しいです。

 


雪だるま

少しずつ春に近づいているこの頃ですが、2月には、久しぶりに東京でも雪が積もりました。

雪が降った夕方に、なんとなくお散歩をしていると、あちらこちらの家の前に雪だるまがありました。

木の枝の手がついたもの、ニンジンのオレンジの鼻のもの、クマみたいに耳があるもの。

みんな、意外に大きくて、60センチから70センチぐらいあって、少し溶けかけて傾いて。。。

子ども達だけでつくったにしては大きいので、親子で作ったのかもしれません。

家の中では「寒かったね」「もっと大きくしたかったのに」なんて話しながら、温かい飲み物を飲んでいるかも。

そんな光景を想像して、胸が温かくなりました。

 

離婚弁護士として日々多くのご相談を受けていますが、どんなご家庭にも、雪だるまを作るような、ささやかで、でも確かに心に残る時間があるはずです。

夫婦関係がうまくいかなくなると、どうしても視野が狭くなり、相手の言動ばかりが気になってしまいます。

でも、雪だるまの前で無邪気に笑う子ども達の姿を思い浮かべると、一番大切なのは何なのか、に自然と立ち返ることができます。

雪だるまと同じように、いろいろなかたちの家庭がありますが、どの家庭でも、子どもの笑顔は、家庭の温度そのものです。

その笑顔を守りたいという思いは、夫婦がどんな状況にあっても、共通して持てる願いなのだと感じます。

 

今、共同親権制度についてさまざまな議論が続いています。

制度の是非や運用の難しさ等、課題が山積みですが、「子どもの笑顔を大切にしたい」という思いを、共有できる夫婦であれば、制度を上手に利用できるのではないかと思います。

 


受験と離婚のタイミング

今、まさに受験シーズンですね。

「離婚を考えているが、受験が終わるまでは動かないほうがいいのか」「別居したいが、子どもの受験に影響が出ないか心配」というご相談を受けることがあります。

離婚はとても大きな決断ですが、受験を控えた子どもがいる場合は、より繊細な配慮が必要になります。

受験生は、ただでさえ不安定になりやすい時期です。

そこに家庭の変化が重なると、集中力が落ちたり、「自分のせいで家がこうなったのでは」と感じてしまう子もいます。

したがって、子どもが夫婦関係に敏感になっていたり、環境の変化に敏感な性格の場合は、受験が終わるまで待つことが、子どもの安心・安定につながることがあります。

 

一方で、子どもは、親の表情や声のトーンにとても敏感です。親が限界まで我慢している状態は、子どもにも伝わります。

離婚そのものよりも、“親の不安定さ”が、最も子どもの気持ちに影響します。

実際に、既に夫婦関係が悪化している場合や、同居生活に多大なストレスを感じている場合は、むしろ早く別居するほうが、子どもが落ち着くことが多いようです。

結局、親が穏やかでいられる選択が、結果的に子どものためになると考えられます。

 

受験と離婚が重なると、「どうするのが正解なのか」「子どもに悪影響が出ないか」と悩むのは当然のことです。

その悩みは、心から子どもを大切に思っている証拠です。

子どものため・・と、我慢することだけが正解ではありません。

ご自身の本当の気持ちに向き合いつつ、経済的な問題や住居の問題なども含め、冷静に整理することが大切だと思います。

 


帰省のかたち

3連休が終わると、いよいよお正月モードも終わりという気がします。

年末年始にお仕事だった方は、これから少しお休みできるのでしょうか。

 

年末年始になると、特に女性から、「実家への帰省」が負担という相談を受けることが少なくありません。

「家族全員で帰るのが当たり前」という風潮の中、義実家での振る舞いや家事に気を遣い、帰宅する頃にはヘトヘト……という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

最近、プライベートでもよく話題になるのが、「セパレート帰省」という選択肢です。

これは夫婦がそれぞれ自分の実家へ帰り、自分の親と水入らずで過ごすスタイルのことです。

このスタイルでの帰省が少しずつ増えており、また、肯定的に捉える方が多いようです。

 

一方で、「冷めた夫婦だと思われるかも」と不安に感じる方もいるかもしれません。

また、1年に一度は、夫婦含めて親族みんなが集まることに意味がある、という意見もあると思います。

確かに、義実家への帰省でも、リラックスして楽しめる場合は、わざわざセパレートする必要はないと思います。

 

しかし、義務感から精神的に負担を感じつつ帰省を繰り返すと、気づかないうちにパートナーやそのご家族に対して「窮屈さ」や「不満」が積み重なることがあります。

それがやがて、夫婦の溝を深くするきっかけになることも少なくありません。

 

多少寂しい気持ちがあったとしても、あえて別々に過ごし、それぞれがリフレッシュして笑顔で自宅に戻ることで、心にゆとりを持つことができ、結果として、お互いを思いやる優しさに繋がる場合もあります。

 

もちろん、お子様のことやご両親の気持ちなど、配慮が必要な面もあります。

大切なのは、世間一般の「正解」に合わせるのではなく、「今の私たちにとって、何が一番心地よいか」をパートナーとフランクに話し合える関係性です。

 

共働きが増えていますので、年末年始等のお休みは、夫婦双方にとって、とても貴重な休息期間であるはずです。

貴重なお休みを、夫婦双方が納得できる方法で過ごし、心からリフレッシュすることが、円満な夫婦関係につながるのではないかと思います。

 


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