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離婚コラム

はじめに

離婚した後のことが心配になるのはもっともなことですが、あらかじめ離婚後の生活を具体的にイメージできるまで検討しておくことで心の準備を整えることができますし、想定される問題点に対する具体的な対応策を練ることも可能になってきます。

もちろん、事前にどれだけ検討して準備を進めておいたとしても問題が発生してくることはありえます。しかし、できるだけ色々なことを事前に検討しておくことで、「想定外のことだった」という可能性を減らすことはできます。問題に直面して受けるストレスは、それが想定内か想定外かで全く異なりますので、事前の準備は非常に重要です。

離婚後の生活はどうなる?

離婚すると、当然ながらそれまでの生活とは変化が生じます。離婚をしたらどうなるのか、その前提として相手方とどのような点で争いになりそうなのか、その点についてはどのいう内容で決着がつきそうなのか、をよく検討しましょう。全て自分の思いどおりにいくケースと、逆に全く思いどおりにいかないケースのそれぞれを頭の中で想像しておきましょう。

お金の面が最も重要です。

特に女性が離婚後に直面する問題として多いのがお金の面です。例えば専業主婦なら生活費を工面すべく働き出さないといけないでしょうし、養育費をきちんともらえるかどうかは子どもの成長にとって非常に重要です。

もちろん、男性にとっても、離婚した後のお金の面についてはきちんと考えておく必要があります。財産分与の額や支払い方法によってはそれ以後の人生設計に影響が出てくる可能性がありますし、養育費を払うべき立場なら、いくらをいつまで支払うことにするのかは極めて重要です。

いくらすぐに離婚をしたいといっても、急ぐあまりに下手な約束をしてしまって離婚後の生活に悪影響が出てくるようでは、本末転倒です。

また、特に熟年離婚の場合は、安心して老後生活を送ることができるかどうかを慎重に考えておかないといけません。年金分割を請求した側の年金増加額は、一般的にはあまり大したことはありません(あまりあてにはできません)。しかし、逆に請求された側にとっては、年金支給額の減額はかなり大きく感じられるものです。また、財産分与で夫婦の財産を清算すると、老後用の貯蓄も減ってしまいます。そして、老後の面倒を見てくれる人がいなくなり施設入所を前提としたライフプランを立てないといけなくなるかもしれません(入所には当然費用がかかります)。

離婚後の住まい

離婚すると今の家を出なければならないかもしれません。それどころか場合によっては、自分が家を出た上で、その家の住宅ローンを支払い続けないといけないこともあるでしょう

また、引っ越しによって生活環境が変わるためストレスになることも多いようです。

離婚後の孤独

いざ離婚してみると一人を寂しく感じるようです。趣味に没頭したり仕事に今以上に打ち込んだり、あるいは新しい出会いを探したりすることも大事になるでしょう。

子どもについて

相手方が子どもを引き取るのなら、あなたが子どもに頻繁に会うことはできなくなってしまいます。そのため、面会交流をどういう内容で約束しておくかが重要です。

あなたが子どもを引き取るとして、相手方が養育費を支払ってくれる場合でも、それだけでは同じ生活水準を保てないかもしれません。あなたが仕事をするのなら、その間子どもを預かってくれるところを探す必要が出てくるかもしれません。

その他

離婚すれば相手方の嫌な面を見る必要はなくなりますが、相手方やその親族の手助けは得られなくなるでしょう。特に子どもの面倒を見てもらっていたような場合には影響が大きいです。

まとめ

離婚後を心配するのは当然のことですが、離婚手続きにあたっての準備として、あらかじめ離婚後の生活を具体的にイメージしておくことが重要です。まず第一にお金の面、それ以外にも住まいや子どものことなどについて、離婚後にどうなるのかをよく考えておきましょう。離婚後に、国や地方自治体から手当や育児関連などの公的支援を受けることができる場合があります。これについては、別コラム(離婚の準備②)にて解説しています。

もちろん、あなたの希望に相手方が同意してくれるとは限りませんので、あなたの希望が全て通る場合と通らない場合の双方を、頭の中で想像しておきましょう。ベストケースとワーストケースの両方を想像することで心の準備ができ、「この点についてはどうしても譲れない。でもこの点はここまでなら相手方に譲ってもいい」という優先順位付けを冷静に考えることができ、相手方との協議に役立てることもできます。

もし、「実際に離婚を切り出したら相手方から色々反論されてしまった。このままでは自分の思い描いていた生活ができなさそう。どうしたらいい?」というようにお悩みであれば、まずは弁護士に相談することをお勧めします。

 

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