離婚コラム
原則として,養育費は「未成年の子が成人するまで」,つまり20歳まで認められるものです。
もっとも,厳密にいえば「未成熟子が成熟するまで」の養育費が認められます。
それでは,「未成熟子」と「未成年の子」とは何が違うのでしょうか?
「経済的に独立をして自分の生活費を稼いでくる」ことを期待できない子どものことです。
20歳になった子ども(成年の子)であっても,その子どもに持病や障害がある場合,在学中・浪人中であるといった場合には,「未成熟子だから養育費を支払え」といえる可能性があります。
もっとも,当然ながら無期限に認められるわけではなく,例えば大学在学中であれば卒業すべき日までとされることが一般的です。
生来病弱で再三にわたって入院加療を続け,現在もなお自宅でもつぱら母親たる相手方の世話になり療養生活を送つており,とうてい相手方と離れ独立して生活を営むに足る能力」がないとされたケース(自閉症,肝炎のため)。
21歳だが貧血で通常の就職稼働ができないとされたケース
父(医師)と母(薬剤師)がそれぞれ大学の医学部や薬学部を卒業して社会生活を営んでおり,現に子どもも薬科大学に進学していることなどを理由に,未成熟子と認められたケース
諸般の事情が考慮されますが,例えば次のような事情があげられます。
職業
学歴
経済的水準
子どもの教育についての意向(ex.大学進学をOKしていたのかどうか)
健康状態
働く能力
進学状況
養育費は子どもが成人するまで(20歳になるまで)もらえるもの,というのが大原則です。
しかし,親と子どもそれぞれの事情によっては,20歳を超えても認められることがあります。
そのため,養育費を請求する側/請求される側のどちらにとっても,自分にとって有利な事情をできるだけ多く拾いあげて主張していくことが重要となります。