離婚コラム
ご相談の中で,離婚したほうがいいと思いますか?このくらいは我慢すべきでしょうか?というようなご質問をよくいただきます。実はご本人様の中で結論が出ていて弁護士に背中を押してほしいだけ,という方もかなりいらっしゃいます。しかし,迷いに迷われてのご質問も多いようです。
ご質問されるご本人様も,最終的にはご自身で決めなければならないということは十分認識しつつ,第三者の意見を確認したいという心境なのだと思います。
確かに非常に重要な決断ですので,決断するにあたって第三者や専門家のサポートを受けるのもひとつでしょう。
離婚問題は,それ自体も,また,離婚問題の原因も非常にプライベートな事柄ですので,周囲に気軽に相談できないこともよくあります。
結果として一人で抱え込んでしまい,深い悩みに押しつぶされそうになってしまうことも少なくないようです。
もし離婚するとなれば,今後,どこに住んで,生活費をどうするのか,住宅ローンはどうなるのか,子どもの保育園や学校はどうするのか等々,いろいろな問題が出てきます。
離婚の準備として,離婚後の生活を事前によく検討しておくことが重要です(リンク先別コラムをご参照ください)。
離婚すべきかどうか,という問題は,家族自体の問題の他,その後の具体的な生活まで考えなくてはならず,精神的負担は非常に大きなものになります。
結果として,離婚したいと思いつつも,どこから手をつけていいのか分からず,つらい生活を継続している場合が多いようです。
サポートとしては,カウンセラーや弁護士に相談するというのが利用しやすいでしょう。
離婚や夫婦問題を扱うカウンセラーという人たちがいます。
カウンセラーを名乗るために資格は本来不要ですが,民間資格として「○○カウンセラー」などと認定している団体もあります。
基本的には,ご本人様の状況,悩み等を踏まえたうえで,心理的なサポートをしてくれる人たちとイメージして頂ければよいでしょう。
依頼者側の利益(離婚の成否,お金,親権,…)を守るため,ご本人をサポートしつつご本人に代わって活動する人,とイメージ頂ければよいでしょう。
カウンセラーが行えるのは,例えばどのような悩みを抱えているのか,離婚すべきかどうか,仲直りのためにどうしたらいいのかといった相談を受けてこれにアドバイスをするなど,あくまでご本人様に対する心理的サポートです。
法律的な相談に応じることは禁じられていますので,法律的な観点からの具体的なアドバイスなどはできません。
弁護士は,法律的なご相談・アドバイスに加え,相手方と直接交渉したり訴訟を行ったりと,ご本人の利益を守るための直接・具体的な行動が可能です。依頼者の味方として具体的に動きますので,依頼することによって精神的負担がかなり軽減されます。
また,弁護士にもよりますが,同時に心理的な面でのサポートを受けることが可能な場合もあります。
離婚問題が生じてしまうと,答えが一つではないことが多く,非常に深い悩みを抱えることになります。
しかし,最終的には,現実と向き合い,「離婚するのかどうか。何を優先するのか?」など,あなた自身が決めるしかありません。その際に,現実と向き合うためには弁護士に相談するのが一番ですし,主に精神的サポートを受けたいという場合は,カウンセラーに相談するのもひとつです。
たとえば,あなたが会社員の夫だとします。いきなり専業主婦の妻が家を出て行ってしまい,離婚を請求されたとします。あなたが,妻にどのように対応すればいいのかは,あなたが何を優先するのかによって変わります。
もし,あなたが,離婚には決して応じないというのであれば,妻の生活費を一部負担しなければなりません。すなわち,夫としての義務を果たしつつ,離婚を拒否する,ということになります。
一方,離婚原因の有無にもよりますが,最終的に離婚もやむを得ないというスタンスの場合は,離婚の条件について有利な立場で交渉することが可能かもしれません。また,離婚すれば,相手方に対して生活費(婚姻費用)を支払う必要もなくなります。
このように,離婚に応じるかどうか,経済的な面を優先するのか否か等によって,進め方も決着の見通しも変わってきます。
したがって,具体的に手続きを進めるにあたっては,「どうしたいのか,何を優先するのか」をあなた自身が決める必要があるのです。
一人で抱え込まずにカウンセラーや弁護士に相談するなどして,まずは精神的なサポートを得ることをお勧めします。
そのアドバイスを踏まえて,何を優先するのかを考え,離婚すべきか,離婚するとして,今後の生活をどうしたいか,相手に譲れるものと譲れないもの,等ををよく検討してみましょう。
離婚カウンセラー資格をもつ女性弁護士が在籍しており,通常の法律相談のほか,カウンセラーとしての特別カウンセリングも行っています。
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