既婚者であることを知らなかったとして慰謝料請求を退けたケース

女性

20代

相談前

ご相談者はマッチングアプリで知り合ってメッセージのやり取りをするようになった男性と交際するようになりました。

男性はご相談者に対し自らが独身者であると告げており，実際にそのようにふるまっていたため，ご相談者は婚姻も視野に入れて２人で一緒に生活する家も探していましたが，ある日突然男性の妻の代理人から不貞の慰謝料請求をする旨の通知が届きました。

ご相談者が第三者を通じて男性に確認したところ，婚姻していることを隠してご相談者と交際していたことを告白したため，今後の対応についてご相談に来られました。

相談後

事情を聞き取りしたところ，男性が既婚者であることを知らなかったことに故意や過失があるというような事情が一切ありませんでした。

ただ，相手方側からは既婚者であると知らなかったことに過失があると主張されそうな事情もあったため，ご相談者も弁護士をつけて対応することになりました。

ご相談者が男性との交際についてこまめに記録を取っており，また男性が婚姻していることを隠していたことを認めたことについての証拠も揃っていたため，男性が既婚者であることについて故意も過失もなく，不法行為の要件を満たさないため慰謝料の支払いには応じられないと交渉したところ，先方からもこの点については争うことが難しいと判断され，慰謝料を請求しないという結果に終わりました。

弁護士からのコメント

既婚者であることを知らなかったという事情があるケースは少なくありませんが，本件ではご相談者がかなりきちんと記録を取っておりこれを弁護士に開示してくれたことから，慰謝料の支払いを一切拒否するという対応を取ることができました。

また，ご相談者が男性の妻の代理人から連絡が来た直後に交際を終了して直接連絡を取らず代理人をつけて対応したことから，相手方から口裏合わせをしているのではないかという疑いも持たれず，交渉が膠着することもありませんでした。

既婚者であることを知らないということを示すことはそこまで容易でないケースもあるのですが，本件ではご相談者様と弁護士との連携が円滑に行うことができたこともあり，故意も過失もないということを相手方側に納得させることができました。

また，直ぐに代理人を立てたことで相手方も「解決金」などの名目で幾らか支払わってもらうということも含めて慰謝料請求を続行することを断念せざるを得ないという結果に持ち込むことができました。