解決事例
女性
40代
ご相談者は夫と10年以上にわたり円満な婚姻生活を送ってきましたが,あるとき夫が長期間にわたって別の女性と交際していたことが発覚し,婚姻関係を続けていくことに困難を感じるようになりました。
夫と離婚に向けた話し合いをする中で,ご相談者は不貞相手にも相応の責任を追及したいと考えるようになり,ご相談に来られました。
不貞に関する証拠は十分そろっており,相手方住所も特定ができていたため,まずは相手方に対して書面で慰謝料請求をすることになりました。
書面が届いた後相手方本人から連絡があり,事実を認めた上で減額の申し入れがあったため,ご本人の意向を確認しながら金額交渉を行っていきました。
相手方は当初,ご相談者の夫に求償する前提で金額の提示をしていましたが,数度の交渉を経て,ご相談者の夫に求償しない(負担を求めない)前提で150万円の慰謝料が支払われることになりました。
弁護士からのコメント
早期解決を図るために最初から敢えて低めの金額を請求するという進め方が有効な場合もありますが,本件では最初に提示した金額の半額を相手方負担分として納得してもらい,訴訟に拠らずに夫に対する求償権放棄の上で訴訟並みの慰謝料の支払いを受けることができました。
相手方も訴訟に拠らない早期解決を希望していたという事情はありますが,慰謝料の金額を定めるにあたっては相手方の納得感も無関係ではありません。本件では最初の請求額をいわゆる裁判所の相場観からすると少し高めの金額に設定しておいたことが結果的に経済的利益に結び付いたといえます。