解決事例
男性
30代
育児がひと段落して働き始めた妻が度々職場の飲み会と称して夜遅くに帰宅するようになり,平日の休みにも友人と食事に行くと言って頻繁に出かけるようになったため,ご相談者は妻の不貞を疑うようになりました。
ご自身の調査では明らかな不貞の証拠までは掴めず,妻と話し合いをしたところ妻は明確には否定しなかったものの念書など形に残るものの作成を拒否したため,今後の進め方についてご相談に来られました。
ご相談者は離婚を希望していましたが,妻が謝罪して夫婦関係の再構築を希望していたこと,また子どもがまだ学生だったということもあり,即断できず,まずは不貞相手にも慰謝料請求をしていくことになりました。
まず,証拠が十分とは言い難いところがあったため,もう少し証拠が収集できないかを検討しました。妻が既に退職し,ご相談者に発覚してから交際が終了していたことから新たな証拠の取得は困難であり,また,妻が不貞の証拠になるものを作成するつもりがないことも明らかだったため,ご相談者が収集した証拠を最低限補強できる証拠を作成することにしました。
証拠が揃ったことから,不貞相手に電話で連絡したところ,すぐに代理人がつき,慰謝料の金額交渉が始まりました。
主な争点は不貞行為により婚姻関係が破綻したか否かという点と妻に対する求償権放棄をするか否かという点であり,双方の主張や希望が対立していましたが,不貞相手に訴訟を回避したいという強い希望を持っていたこともあり,最終的には妻に対する求償権を放棄した上で慰謝料として130万円を支払うということで合意に至りました。
弁護士からのコメント
不貞慰謝料請求事件においてはご相談の時点で十分な証拠があるとは言い難いこともありますが,ご夫婦の関係性や状況によっては,ご依頼後に証拠を収集できることがあります。このケースでは弁護士からの具体的な助言を参考にしていただき,ご相談者が粘り強く,また機転を利かせて対応をされたことで妻の供述を得ることができました。
また,このケースでは不貞相手が公開しているSNSから,不貞相手が不貞の事実を配偶者には知られておらず,そのことが交渉のカードになることがうかがえたため最初から直接相手方本人宛に連絡していましたが,このことが後々の交渉に活き,離婚も別居もしていないという事情があるにもかかわらず,比較的高い慰謝料を獲得できました。